手入れに伺ってにいるお客さんが庭で採れた柿と蜜柑を送ってきてくださった。
おくちにあいますかどうか?と書かれた手紙を添えて。
去年伺った時に美味しいと聞かされて私が食べてみたいなと言ったのを覚えていてくださったのだろう。
感激しながら、家族一同で美味しく頂いています。お客さんのご自宅の庭への想いを感じながら・・・
庭の手入れにおいては、自分の創った庭だけでなく手入れだけ伺わせて頂いているお宅も多い。
自分の創った庭でなくとも正直、いいなと感じる庭もあれば何故?と感じる庭もある。
お客さんの方からご相談があればこうすればよいのではというような御提案はさせていただくことも多い。
それでも・・・
先日手入れに伺ったのは仕立物に囲まれた庭。ちょっと圧迫感が強かった。
一服時にお客さんから。
最近はこういう樹は余り植えないでしょ?
なんて話が・・・
狭い庭なのにこんな樹ばかり植えちゃったのよと
それでもね、こんだけ一緒にいるとなんだか愛着が沸いちゃってね、だから手入れに入ってもらった後は
凄く嬉しいの、来年もよろしくね。とありがたい言葉を頂いた。
別のお宅では、家を建ててそうそう樹を植えなきゃと想って無計画に樹を植えてしまった。と
それでもご主人が海外赴任されていた間は私が切っていたのよ。と
だからなんか愛着があるのよね・・・と。
場合によっては相談を受け今ある樹を抜いて創り直す事もあるけれども・・・
うちの場合は樹を抜くときお酒と塩でお客さんと共にお清めというかお別れの儀式をするんですが、
殆どのお客さんが今までありがとうという言葉が自然に口に出る。
当たり前の話だけれど樹木は生き物だからお客さんと共にその庭で時を刻むんだなと。
今後新たに庭を創る時も忘れちゃいけない事だなと強く感じる。
不便さや目的があるときはともかく、お客さんと共に時を刻んだ庭はその場に必要なんだなと。
形としての良し悪しだけでは判断できない何かがそこに在るのだろうと。
先日は管理の問題でお客さんが残すかどうか迷っていた樹木を管理の技術で残すことが出来、お客さんにも
喜んでいただけた。
こういう技術も大事にしないとなと。
今日からご近所のお宅へ・・・
また今年もこの風景に出会えた。
その庭、その庭にお客さんの庭と共に刻んできた時があり思いがある。
樹を切りにいくだけではない、手入れしに行くだけでもない・・・
お客さんと共に時を刻んだ庭を手入れしにいくということ。
そして人と人の間に庭があるということ、忘れないように・・・
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壇上さん、人として最高です!
人としては…?なワタクシですが(笑)
庭師として、時に凝り固まった目で場を見てしまう、偏り過ぎた目線で…
その場における時や意味を…
庭師としての目と人としての目。
どちらにも偏り過ぎることなく、感じとっていきたいなと。